「三社参り」とはお正月に三つの神社を巡る風習ですが、これは全国的なものではなく、特に福岡県でよく見られる文化とされています。
ですが、三社参りをしているのは福岡のみなのでしょうか?また、三社参りをするのはなぜなのか明確なルールはあるのかなど分からないことが沢山あります。
今回は、三社参りは福岡だけしか行われていないのか、三社参りのルールやする理由を紹介します。

神社巡りに興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。
三社参りは福岡だけ?


三社参りは、福岡だけでなく九州と中国地方の一部の地域を中心に広く行われています。ただ、福岡でよく知られ行われており親しみ深い伝統の風習です。
三社参りは、昔朝廷が伊勢神宮、石清水八幡宮、賀茂神社に参拝していたことが一般の人々にも伝わったという説があります。
福岡の三社参りは江戸時代に行われるようになりました。黒田藩の武士たちが住吉神社、日吉神社、筥崎宮に三社参りしたと伝えられています。
諸説あり
福岡の三社参りと九州地方の三社参りの違いを紹介します。
福岡県
福岡県では、太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)、筥崎宮(はこざきぐう)、宮地嶽神社(みやじだけじんじゃ)などが有名です。
ただ、各神社ごとに異なるご利益や由緒があるため目的に応じて巡る神社を選ぶ人も多いようです。Xの投稿では「黒田藩に習って住吉神社・日吉神社・筥崎宮へ」と投稿がありました。毎年同じ神社に行く人もいますが、その年によって変える人もいるようです。



色々な神社に行けてお正月から楽しそうです。
九州地域
九州地域特に熊本や鹿児島などでも広く知られ行われています。熊本市内の三社参りは加藤神社、高橋稲荷神社、別所琴平神社で鹿児島市内では一之宮神社、鹿児島神社、川上天満宮です。
ただし、九州以外の地域では三社参りの習慣はあまり一般的ではありません。全国的には正月に一つの神社や寺を参拝する「初詣」の方が一般的です。
九州以外の人で三社参りをしたいと思ったら、地元の有名な神社や行ってみたい神社を3つ選んで回ると良いでしょう。それぞれ違う神社を巡って新しい発見があるかもしれません。



好きな御朱印の神社に行ってみてもいいかもしれませんね。
九州以外
関東と和歌山でも三社参りは行われていました。関東では鹿島神宮、息栖神社、香取神宮に参り和歌山では日前神宮、国懸神宮、竈山神社に参ります。
関東の三社参りを「東国三社参り」和歌山の三社参りを「和歌山三社参り」と読んでいますが、福岡や九州地域ほど盛んではないようです。
やはり、初詣は一社だけに参るをいう習慣が強いのかもしれません。
三社参りのルールは?
三社参りのルールは特に決められてはいません。ただ、一部では「三が日の間に参る」「1日で三社まわる」といった決まりがある地域もあります。
私は両親や親戚から「松の内に三社にお参りする」と教わりました。やはり正月三が日は親戚が挨拶に来たり家でお正月のお祝いをしたりと何かと忙しいです。三社参りする友人も「1日では無理だ」と言ってました。
他に職場の人は「1月中に何日かに分けて三社参りする」など、私の住んでいるところは三社参りのルールはあまり厳しくない地域だったようです。



住んでいる地域によって三社参りも様々ですね。
三社参りはなぜする?
三社参りが根付いている地域の人が三社参りをする理由は、特別な信仰があるわけではなく「初詣=三社参り」のように当然のように身についているからです。
私も三社参りをするのが当たり前だったので九州以外の人と初詣の話をした時、一箇所しか行かないことに驚きました。なぜ三箇所の神社に参るのかと聞かれても答えられなかったことを覚えています。
他に三社参りする理由を調べたので以下で詳しく紹介します。
三の数字が縁起がいい
日本では「三」は完全や調和を表す縁起の良い数字とされています。三種の神器や三々九度のように三には特別な意味があり三社を巡り参ることでご利益がさらに高まると考えられています。
複数の神様に感謝を伝える
三社巡ることで、複数の神様に感謝を伝えご利益をいただくことができます。神社にはそれぞれ異なる神様がおりご利益も様々です。神社を複数巡ることで、異なる神様に感謝を伝え、多様なご利益を頂けると考えられています
例えば、健康運・学問・家庭円満といったようにまんべんなくご利益をいただきお願いをすることができるでしょう。
三社参り九州在住者の体験談
ここでは、実際に三社参りを毎年行っている九州在住の筆者の体験談をご紹介します。
三社参りは昔から私の家では初詣の恒例行事でした。子どもの頃、両親に連れられて氏神様、近所の神社、そして少し大きな神社を巡っていました。当時は、なぜ三箇所も回らなければいけないのか理解できず、人混みが苦手だったこともあり、あまり乗り気ではありませんでした。



屋台もなかったため、特に楽しみも感じられなかったのです..
大人になり、家族と三社参りに行くことはなくなりましたが、友達と一緒に三社参りをするようになりました。その際に訪れる神社は、まず氏神様(これは一人でも必ず行きます)、屋台のある神社、そして干支に関連した神社です。特に氏神様には、昔からの習慣もあり必ずお参りするようにしています。
友達と一緒に巡る二箇所の神社は、その年ごとに話し合って決めていました。この「どの神社に行くかを相談する時間」がとても楽しく、毎年ワクワクしたものです。友達も、自分の地元の神社を含め、残りの二箇所を私と一緒に巡っていました。
結婚して子どもが生まれてからも三社参りの習慣は続けています。まずは実家の氏神様にお参りし、あとの二箇所は現在住んでいる地域の神社や、家族で行ってみたいと思う神社を選んでいます。家族で神社紹介の本を見ながら「どの神社に行くか」を話し合う時間は、とても楽しいひとときです。最近では、子供も神社に興味を持つようになり、私の趣味を共感してくれるのがとても嬉しく感じています。
まとめ
今回は三社参りについて紹介しました。
- 三社参りは、福岡だけの習慣ではない
- 三社参りは、九州と中国地方の一部の地域を中心に広く行われている
- 関東や和歌山でも三社参りはされている
- 三社参りのルールは、特に決められてないが、「三が日の間に参る」「1日で三社まわる」とルールが決まっている地域もある
- 三社参りをする理由は、初詣は三社参りが当たり前になっている、三の数字が縁起がいい、複数の神様に感謝を伝えられるから
三社参りは全国的にはそれほど有名ではありませんが、新年に複数の神社を巡ることで、多くのご利益を頂けるとされています。初めての方もぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか。



新年に三社参りを体験することで、新しい発見やご利益が得られるかもしれません。ぜひお試しください
最後までお読みいただきありがとうございました。